東京都清瀬市からの川便り
11年目の春を迎えて、今年も元気「調節池のビオトープ」 今泉安広 ( 柳瀬川「金山調節池ワークショップ」代表世話人) |
2008年に、貴協会から「河川功労者(団体)」の表彰を頂いて、早くも4年の歳月が過ぎました。表彰 この度、ワークショップとしての活動開始から10年の節目を記念して、10年誌;「金山調節池ワークショップ、ビオトープ保全10年間の記録」を刊行いたしました。 この記念誌は、金山調節池のビオトープが形成されてきた経緯を振り返り、ワークショップの保全作業と湿地性生態系の多様性との関係を検証するための基礎的な資料の一端として、作成したものです。まだまだ不十分ですので、金山調節池の構造的な条件、湿地性生態系における動植物の実態に係わる資料等の作成も考えています。都市近郊での河川周辺では、田んぼや氾濫原などの湿地がなくなってきていますが、洪水調節池のビオトープとしての活用や、身近に親しめる湿地の再生に、少しでも寄与できればとの思いで、「金山調節池」からビオトープの現状や課題について発信していく所存です。 今、金山調節池は新緑の季節を迎えています。3月初めに枯れ草を刈り取った頃、枯れ草の下で芽出しをしていたフトイ・セリ・チゴザサ・カンガレイ・ミズタガラシなど、本当に多くの植物たちが春の日 この素晴らしいビオトープを保全していくワークショップの作業も忙しくなります。5月の陽射しは、アオミドロを繁茂させます。一年中、除草している外来種も勢いを増してきます。これらの除去・除草も大変な作業ですが、都内では極めて希少になった湿地の在来種から成る植生を保全していくためには、手を抜くとのできない作業です。 私たちの願いは、身近なところに「自然」を再生していくことです。10年以上継続してきたワークショップ、春夏秋冬の季節に合わせた保全活動が、今年も始まりました。 2012年3月30日
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